Q1 知的財産権を侵害されたとして訴訟になったケースで、高額訴訟になった例を教えてください! |
A1
知的財産権の侵害に関する訴訟で高額訴訟として有名なものには、
- H2ブロッカー事件(シメチジン事件)
- アルゼ、サミー パチスロ特許侵害事件
があります。
高額訴訟例1:H2ブロッカー事件(シメチジン事件)
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H2ブロッカー事件はH2ブロッカー(シメチジン)と呼ばれる胃腸薬の製造方法の特許権の侵害に対して、
原告側
特許権者 スミス・クライン・アンド・フレンチ・ラボラトリース・リミテッド(以下原告「X1」)
独占的専用実施権者 スミスクライン・ビーチャム製薬株式会社(以下原告「X2」)
被告側
藤本製薬 (以下被告「Y1」)
で争われた訴訟で、逸失利益として国内最高額の25億6千万円の損害賠償及び5億円の不当利得返還請求が認められた事例です。
争点はシメチジンを生産する方法の発明について特許権の侵害があるかないかという点であり、被告「Y1」はレック法によりシメチジンを生産していたため、原告「X1」が特許権を所有する「オキシ法」によるシメチジンの製造方法の侵害にはあたらないと主張したが、原告側は不純物や収率の問題等でレック法では実施不能であり、被告「Y1」のシメチジンの生産についてはオキシ法を使ったことが明らかであると反論しました。
結果原告側の主張が認められ、侵害がなかったならば得られたはずの原告の逸失利益を損害額として認めたため、1998年10月の時点での国内最高額の賠償額にまで至りました。
その後、被告「Y1」らはオキシ法は特許権としては無効だとして特許無効審判を起こし、一旦は無効審決がなされましたが、今度は原告側がその無効審決の取消しを求めて、東京高等裁判所に出訴し、結果無効審決の取消しが認められました。
二転三転後、最終的には藤本製薬がスミス・クライン・アンド・フレンチ・ラボラトリース・リミテッドに和解金(金額不明)を支払うことで和解が成立しました。
高額訴訟例2:アルゼ、サミー パチスロ特許侵害事件
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パチスロ特許侵害については、パチスロメーカー最大手のアルゼが、自身の所有する「遊び手の技量が反映されるスロットマシンに関する特許」(特許第1855980号)が侵害されているとし、1999年10月にサミーとネットを相手取り損害賠償を求めて東京地裁に提訴したのがこの事件の発端です。
2002年3月に出された東京地裁では訴訟額としては過去最高額の、サミーに74億円余り、ネットに10億円弱の支払いを命ずる判決が下ったが、サミー(ネット)はその判決が下るより前の2001年6月に「アルゼ社の保有する特許は従来の技術から容易に創出可能であり進歩性に欠ける」とし、無効審判を特許庁に請求していました。
この無効審判請求に対し特許庁は2002年12月に、裁判の争点となっているアルゼ所有の特許第1855980号を無効とするとの判断を下し、それがそのまま決着したことからアルゼの逆転敗訴となり、賠償金は発生しませんでした。
結局この事件は特許侵害訴訟と特許無効審判が同時平行で行われ、そして特許無効審判の確定が東京地裁の判決よりも遅かった為、特許侵害訴訟にかけた労力が全て無駄になってしまった事件として、日本の訴訟手続きの矛盾に一石を投じた例として有名です。
Posted at 2007-5-17
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